最近ニュースにもなった、「髄膜炎菌感染症(ずいまくえんきんかんせんしょう)」。
乳幼児だけでなく、10代に集団感染のリスクが大きいといわれています。
実は、進行が早く、気づかずに重症化する可能性もあるのです!
症状を知りきちんと対策をする必要があります!
では、一体どうやって予防すればいいのか?
今回の記事では、髄膜炎菌感染症のについて
- 具体的な症状やリスク
- 感染しやすい年齢
- ワクチンや自分でできる予防法
について、まとめました!
髄膜炎菌とは?発症までの経緯
髄膜炎菌は、13以上の種類がある細菌の一種で、咳やくしゃみによってのどや気管の粘膜などに感染します。
髄膜炎菌には、下記のような特徴があります。
- 必ずしも発症するわけではない。
- 健康な人でも菌を持っている。
感染=発症というイメージを持っている方も少なくないと思いますが、必ずしも症状が出るわけではないということなんですね。
感染してから発症までには、通常約2~4日の潜伏期間があり、長ければ1週間~10日ほどかかることもあるようです。
主に体力が低下している時や、免疫の機能が低下しているときは発症しやすくなるので、要注意です!
発症までの経緯は、下記のようになっています。
咳やくしゃみによって、膜炎菌が鼻やのどの粘膜に侵入
↓
血液に流る
↓
髄膜・髄液へ侵入する
↓
発症
髄膜炎菌感染症は、世界全体で見ると毎年約30万人の患者が発生し、約3万人の死亡例が出ているのが現状です。
特に、髄膜炎ベルト(meningitis belt)と呼ばれるアフリカ中央部で、多く発生しています。
どんな症状が起こるのか?早期に適切な治療を!
髄膜炎菌感染症の症状は、段階によって変化します。
最初は風邪のような症状ですが、急速に悪化し、数日で意識を失うこともあるんです!
はじめは風邪に似た症状なので、髄膜炎菌に感染しているかどうかの判断がつきません。
なので発症しても、早い段階で治療をうけることが難しい場合が多いと言えます。
発症からの症状を時間経過とともに説明します。
発症~約12時間 |
頭痛/高熱/吐き気/食欲不振/嘔吐 ※乳幼児の場合は、首の後ろのふくらみ(固くなる)、泣き声等で判断する必要があります。 |
約13~20時間 |
発疹/皮下出血/息が苦しくなる |
重症化 (適切な処置を行わなかった場合1~2日) |
けいれん/意識障害 /血液が固まる |
はじめは風邪に似た症状ですが、進行していくと明らかに風邪とは違う症状が起こり始めます。
適切な処置を行わないと、重症化し、命に関わる危険性も高まります。
適切な処置とは、抗生物質や抗菌薬での治療のことですね。
重症化し、ショック状態で死亡する場合もあり、
- 死亡率:10-15%
- 早期に適切な治療をした場合:5-10%、
- 無治療の場合:50%
となっています。
また、早期に適切な治療を施した場合でも、11〜19%は
- 手足の切断
- 麻痺
- 言語障害や知能障害
などの後遺症が残る可能性があります。
10代後半が危ない!年齢で見る感染のリスク
髄膜炎菌感染症は乳幼児(0~4歳)だけでなく、10代後半もそのリスクが高いことがわかっています。
その理由は、“学生の生活環境”にありました。
髄膜炎菌感染症が感染しやすい環境とは
- 人が集まる
- 人との距離が近い
などの条件があります。
先ほど説明しましたが、髄膜炎菌は咳やくしゃみ等、“唾液”から“粘膜”へ感染していくため、学生特有の“共同生活”が原因になってしまうんです。
特に、学生寮などで生活している場合、集団感染のリスクも高まります。
日頃のケアと予防ワクチンの接種が効果的!
髄膜炎菌感染症を予防するには、日頃の健康管理と予防接種が効果的です。
まず、基本的な予防法としては、下記の3つがあげられます。
- 手洗い・うがい
- マスクの着用
- 規則正しい生活
基本にはなりますが、とても重要なポイントです。
特に、規則正しい生活を送ることで、体力や免疫機能を低下させない、感染しても発症させない状況を維持することができます。
そして予防ワクチン接種は、
- 学校への入学前
- 新学期が始まる前
- 部活動の合宿前
- 留学・海外旅行などの渡航前(特にアフリカ中央部の場合は必須!)
などに検討することをお勧めします。
予防ワクチン接種にかかる料金の相場は、約2万円です。
通常は予約が必要な場合が多いですし、病院によって料金が前後しますので、かかりつけの病院に確認してみるといいでしょう。
まとめ
髄膜炎菌感染症は、
- 風邪の症状と混同しやすい
- 早期の治療が難しい
- 進行が早い
という特徴があります。
早期治療ができても、後遺症や死亡のリスクも高いので、特に
- 0~4歳の乳幼児
- 10代後半の学生
- 留学や海外旅行を考えている
などの方は、予防ワクチンの接種をお勧めします。
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